ここ最近はNFT関連で記事にしたいことが多くてNFT記事ばかりだったのですが、今日はBitcoin関連の注目記事とそれに対する僕の投資経験からの意見を述べたいと思います。ポイントは事実売り”Sell the fact”です。ただし、それは長期投資家の視点からはピンチではなくチャンスであるという考えです。
ビットコインが一時的な暴落をする可能性がある理由
Bitcoinは一時期の停滞を乗り越えて再び2021年5月の最高値にチャレンジしようとしています。5月の最高値近辺ではBitcoinのみならず、他のアルトコインが主要なものから草コインと言われるマイナー通貨まで含めて仮想通貨相場全体が非常に大きく盛り上がりました。
その後、5月上旬に始まった大幅な相場調整が7月後半まで続きました。2月~5月の盛り上がりを見せていた頃に仮想通貨市場に参入された方にとっては胃の痛い数か月を過ごしたのではないでしょうか。僕自身も5月のタイミングで買い増していた分があったので、(長期投資の視点では問題にはならないものの)買い増しのタイミングとしては適切ではなかったという結果になりました。(結果論ですが。)
さて、ビットコインは今好調です。ここ最近は他のアルトコインが下げ、もしくは停滞しているものが多い状況ですがビットコインだけは良い価格パフォーマンスを見せています。では、そんな好調なビットコインが一時的な暴落をする可能性がある理由は何か?ということですが、それは「事実売り」です。
事実というのはBitcoin ETFの承認のことを意味します。ETF承認自体はBitcoinにとっては良いことです。しかし投資家は事実が出る前に買っている為、事実が公になった瞬間に売るという「事実売り」が起こるのです。Bitcoin ETFについて詳しくは次のセクションで述べますが、事実売りをナメてはいけません。僕は株式投資歴は既に15年ほどですが、まだ投資歴が浅かった初心者の頃にはこの事実売りのことが感覚的に理解できていませんでした。
増収増益の良い決算を発表したのに株価は逆に下落の反応をする、企業のプレスリリースや日銀からのポジティブなコメントが出されたのに市場は下落する、もしくは何も反応しない、ということが市場ではよく起こります。これは既に市場ではその噂が出回っていて、その噂が既に価格に織り込まれている為です。こういうケースでは事実が正式に発表されたときには逆に価格が下がって反応するということがあります。
ビットコインETFとは?承認はいつ?
仮想通貨の前に株式投資や投資信託等の経験がある方ならETFという言葉は聞き慣れているかと思います。ETF (Exchange Traded Funds)とは「上場投資信託」と訳される投資信託の一種です。特定の指数、株価で言えば日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等の動きに連動する、もしくはそれ以上の運用成果を目指すもので、東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託です。
ETFは市場急落時に売買シェアが上昇し、注目されました。日経平均などのインデックスはよくニュースにもなるので相場の変動でパフォーマンスが容易に把握でき、運用の透明性が高いことが注目されたのです。
ちなみに連動する指数は株式だけでなく、債券、REIT(リート)、通貨、コモディティ(商品)等があります。今ここに新しくビットコインETFが加わろうとしているということになります。(厳密に言うとカナダ等一部の国では既にビットコインETFは承認されています。ここではアメリカでの承認のことを意味して記事を書いています。世界最大の金融市場はアメリカです。アメリカで承認されるか否かは入ってくる資金のレベルが変わる要因になるので注目度が桁違いなのです。)
さて、このETFは「上場」する金融商品になりますので、当局の承認が必要です。アメリカで言うとその承認機関はSECと言いますが、承認スケジュールについてはArcane Researchのアナリスト、Velte Lundeさんのツイートに見やすいスケジュール表が載っていますので以下に参照します。
下記の表は上段が現物ETF、下段が先物ETFの承認スケジュールとなっています。一番最初に来る重要な承認イベントは10月18日のProSharesのBitcoin ETFへの回答です。その後も10月19日、10月24日、10月25日、10月31日、11月3日と6社分のビットコイン先物ETFの回答が続きます。
その後は現物ETFの承認が11月14日にVanEck社、更に12月5日、12月18日、1月1日と4社分が予定されています。これは僕の主観になりますが、ETFの本丸は現物だと思います。先物ETFができても入ってくるのはこれまで先物市場に入っていた人が中心になるのではと想像しますが、現物ETFが承認されるとこれまで仮想通貨に興味はあってもリスクを恐れていたり、煩雑な取引方法を敬遠して仮想通貨を全く買っていなかった機関投資家や個人の投資家がこのBitcoin ETFを機に初めて仮想通貨市場に入ってくるということが考えられます。市場規模が一気に増えるポテンシャルがあると僕は感じています。
BloombergのシニアETFアナリスト、Eric Balchunas氏のコメントも合わせて紹介しておきます。10/18までにSECから何も連絡がない場合、ProSahresは自由にETF商品を上場することができるということです。なぜならSECは申請された金融商品の上場可否について75日以内に回答を出さなければならず、その期限が10/18だからです。もう承認は秒読み段階に来ていると考えて良いでしょう。
ビットコインETFは市場にとってプラスかマイナスか?
さて、Bitcoin ETFは仮想通貨市場にとってプラスかマイナスか?ということですが、当然これはプラスです。上記の通り、これまで仮想通貨に興味はあってもリスクを恐れていたり、煩雑な取引方法を敬遠して仮想通貨を全く買っていなかった機関投資家や個人の投資家がこのBitcoin ETFを機に初めて仮想通貨市場に入ってくるということが考えられるからです。
私のツイートでも触れていますが、仮想通貨の口座数は稼働口座数で言うと約287万というデータが出ています。(日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の統計情報による。)一方で株式取引に必要な証券口座の数は約2850万だそうです。(日本証券業協会の統計情報による。)つまり、まだ仮想通貨の取引口座を持っている人の数は証券口座を持っている人の10分の1程度しかいないということです。
後日アメリカの口座数も調べてみたいと思っていますが、日本のデータを見てもまだ仮想通貨を取引している人の数は少ないということがよくわかります。この仮想通貨に未参入の人たちがBitcoin ETFによって新しく入ってくるとすれば、その市場拡大の余地は非常に大きいと考えて問題ないでしょう。
一時的な暴落は警戒すべきだが、長期投資家にとってはチャンス
冒頭で述べた通り、ETF承認の「事実売り」によってビットコインの価格は一時的な暴落を見せる可能性があります。ただし、これは長期的にはビットコイン市場、仮想通貨市場の拡大につながるポジティブなニュースである為、私のような長期投資家にとってはまたBuy the dip(底値買い、押し目買い)のチャンスになります。
今回で5月の最高値を軽く上抜けていくようだと、底値を切り上げて二度と今のような価格レベルには戻らなくなる可能性があります。(過去にもビットコインはそうやって価格水準を何度も切り上げてきました。)特に機関投資家の多額のマネーが入ってくるとなると、その可能性は低くないと思います。
とはいえ、あくまで投資判断は慎重に、情報をしっかり収集して、他人の言うことは鵜呑みにしないように注意しましょう。人生は毎日が学びです。それではまた~
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