先日「イーサリアムのガス代が金曜の夜に$90だったのでキャンセルして日曜の昼にやったら$27だった」というツイートをしたところ、とても多くの方に喜んでもらえました。
それならば、もっと深くイーサリアムのガス代を調べてみよう!というのが今日の記事です。ぼくは以前から曜日や時間帯でガス代に差があることは感覚的にわかっていました。しかし、それを説明できるほどではなかったので、ぼくにとってもよい学びの機会です。
というわけで、イーサリアムのガス代はいつが安いのか?を知って、安い時間帯を狙って取引できるようにしましょう!
イーサリアムのガス代が安い曜日と時間帯
安い曜日と時間帯:
結論から言うと、最も安いゴールデンタイムは日曜の12時ごろ~23時ごろです。
イーサリアムのガス代が安い傾向にあるのは①土日、②平日の14時~23時です。
注:
ただし、あくまでこれは11月のオンチェーンデータからの分析結果なので、常に同じとは限りません。つねに情報収集を続けるようにしましょう。ぼくも引き続きイーサリアムのガス代は監視を続けます。
(なお、この記事を書くにあたっていろいろなサイトを見ましたが、Coin Metricsの記事を一番参考にしています。)
なぜ安い時間帯と高い時間帯が存在するのか?
ガス代はイーサリアムのを取引するための手数料です。ガス代はシンプルに、ネットワークの込み具合で決まります。混んでいるとお金がかかり、空いているとお金が安く済むという単純なメカニズムです。
ガス代は誰に払っているのか?というと、トランザクションを処理する「マイニング」という作業をしてくれる人、「マイナー」に支払っています。(実はこのマイニング、誰でもやろうと思えばできます。性能の高いコンピュータが必要なので、なかなか普通の人はやらないですが。)
今のイーサリアムはPOW(Proof of Work)と言うアルゴリズムで動いていて、ひとつ一つの処理を終わらせるにはマイニングが必要です。マイナーが処理してくれるからイーサリアムは動いているのです。(マイニングは難しい計算問題をハイスペックなコンピュータに解かせるようなことをイメージすればよいです。)
それで、結局なんでガス代が変動するのよ!?というと、マイニングをしてくれるマイナーの数は短期的には変わらないので、処理を頼む人(イーサリアムチェーンで売買をするぼくたちのようなユーザー)が増えるとマイナーの処理が追い付かないので、ガス代が高騰するという仕組みです。
では高騰したガス代はどうやって下がるか?ですが、ここにはごく普通の経済原理が働きます。ガス代が高いとぼくらユーザーは利用を控えます。それと同時に、マイナーはガス代が高いと儲かるので、マイナーが集まってきます。
そうして需要の下げと供給の上げの2つの要素が働くので、いちど高騰したガス代もやがてちゃんと正常なレベルに戻っていきます。
(もっと深い話をすると…このイーサリアムのトランザクション処理の方法をPOWという今の方法からPOS=Proof of Stakeという方法に変えよう!というのがETH2.0と言われているイーサリアムの大幅アップデートです。これによって処理能力が上がり、ガス代は下がることが期待されています。)
ちなみに11月の日当たり平均ガス代は30ドル以下になった日はありませんでした。そしてガス代が上がることで、一部のユーザーは「もしかしたら取引を遅らせることで安くなるのでは?」と思うようになりました。不満は世界共通ですから、みな考えるわけですね。
仮想通貨の経験が浅い人はたとえガス代が高くても「まあ、そんなものなんだろう」と思うかもしれません。
でも、ちょっと待てよと思いませんか?飛行機でも早朝5時のフライトは良い時間のフライトよりも安いですよね。電気代もオフピークだと安いプランがありますよね。
世の中には「変動料金」とか「ダイナミックプライシング」という料金制度がたくさんあります。ディズニーランドだって高い日~安い日まで4段階の変動料金を採用するということで、ニュースでも話題になっていましたよね。
ということは…イーサリアムのユーザーもオフタイムの方が手数料が安くなると考えるべきなのでは!?ということで調べた結果が次に紹介するデータです。やはり曜日や時間を選ぶことで、ガス代を安くスマートに取引ができるということがデータからはっきりしています。
ガス代の高い時間と安い時間の実例
Coin Metricsの提供するデータを見ると、安い時間帯がわかりやすく示されています。傾向がはっきり出ていますね。(明るいイエローはより高いベースフィー、濃いブルーはより安いベースフィーを表しています。なお、この分析はベースフィーのみを考慮していて、マイナーチップは含めていません。)
① すべての曜日に共通で、アメリカ時間の0時~9時(日本時間の14時~23時)が安い
② 曜日別でみるとアメリカ時間の土日が安い(時差の関係で日本時間の月曜は安い)
→以上と11月のオンチェーンデータの実績から、もっとも安い可能性が高いゴールデンタイムは日本時間日曜の14時~23時と考えられる
もちろん一概には言えないので、鵜呑みにはしないでくださいね。毎週、毎日、ガス代は変動していますので。
ガス代の価格ですが、ちょくちょくトランザクションしているぼくの肌感覚でいうと、11月下旬~12月上旬あたりで安い時は$20くらい、高いと80~90$くらいですね。そのくらいの幅広いレンジで動いていると思われます。(あくまでぼくの肌感覚ですよ。)
夏ごろにOpenSeaでNFTの取引が急激に増えたとき、イーサリアムのガス代はヤバいことになっていました。$300レベルのガス代がかかったという話がありましたし、$200台はまったく珍しくもないというレベルでした。
ぼく自身も$300の送金をするのに$220のガス代を払って、いったい自分は何をしているんだろう?とちょっと悲しくなったのを覚えています。
イーサリアムは24時間365日、世界中からアクセスできるネットワークです。取引所の空いている時間が決まっている株とは違います。
だったらもっと分散されてそうですよね?それなのに、イーサリアムのガス代は明らかにアメリカの営業時間中に高くなる傾向があります。
アメリカ東部時間(=ロサンゼルス等)の0時~8時の時間帯は、いわゆる営業時間(9時~17時)と比べてガス代が安い傾向にあります。さらに、週末はどの時間を見ても総じてガス代が安くなる傾向にあります。
曜日ごとの時間帯別のガス代をもっと細分化したチャートがります。(上から月曜日、火曜日、の順番で一番下が日曜です。)土日の安さとアメリカの営業時間中が高いことがここでもわかります。
特にアメリカ東部時間日曜日の午前中は、水曜日の12時ごろの平均とくらべると、ガス代はなんと50%以下!となり、その差はかなり大きいです。
なお、このパターンは平均値だけではなく、中央値で見ても明らかとCoin Metricsは伝えています。
まとめ
というわけで、イーサリアムのガス代が変動する理由と、高い曜日・時間、安い曜日・時間がわかりました。これからはイーサリアムの取引はなるべく日曜の12時~23時の間にするようにしようと思いました。
でもNFTで買いたい作品があったとき、日曜まで待っていたら売れてしまうかもしれません。そういうときはガス代を惜しむべきではないです。買えなかったことの悔しさの方が明らかに上回ります。
ただ、時間的制約がなくて、今トランザクションしても日曜にやっても何も変わらないという性質のものなら、日曜に遅らせた方がガス代が安く済む可能性が高いです。
クリプト界ではこういう「知っている人だけがオイシイ思いをする」「知らない人が損をする、カモられる」みたいな世界がどうやらたくさんあると思います。しっかりと学んで、ムダなガス代を払わないように自分を防衛していきましょう!
人生は毎日が学びです。それではまた~
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