ガバナンストークンで投票する実例を紹介します

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DefiやNFTを触っていると、「ガバナンストークン」という言葉を耳にすると思います。そろそろクリプト初級者を脱してもう少し深いところを知りたいなと思っている人なら、ぜひとも理解しておきたい点です。

「ガバナンストークン」とは何なのか、そしてガバナンストークンでどうやって投票するのか、実例を見せながら説明していきたいと思います。

ポイント

まず、この記事で伝えたいポイントは以下の通りです。

ガバナンストークンとは、プロジェクトの運用や開発についての方針をホルダーによる投票で決定するトークンのことです。株式会社の株主投票のようなものだと思ってもらえれば理解は早いです。

基本的に持っているトークンの量に比例して議決権の大きさが決まりますが、プロジェクトによっては「ステーキングしているかいないか」や「どれだけ長い期間ガバナンストークンを保有しているか」で議決権の比率に差を設けているプロジェクトもあります

最近はNFTのプロジェクトも増えてきましたが、NFTの場合でも同様にガバナンストークンの役割を果たすNFTが存在します。NFTの「T」は「トークン」ですからね!ガバナンストークンとして別のNFTを作る場合もありますし、本家のNFTにガバナンストークンの役割を持たせる場合もあります。

ガバナンストークンは買えるものと買えないものがあります。例えばぼくが今回事例で紹介するPlanet FinanceというDefiプラットフォームのガバナンストークンはAQUAトークンと言いますが、AQUAはPancakeSwapで買えます。Planet Financeのウェブサイトでも買えます。

一方で、ぼくはイケハヤさんが中心となって運営されているNFT関連プロジェクトのNinja DAOのガバナンストークンも持っています。しかしNinja DAOのガバナンストークンは取引所でいくらお金を積んでも買うことはできません

③Ninja DAOのようなクローズドな形でガバナンストークンを発行する場合にはそのコミュニティに入り、何らかの活動をする必要があります。活動すると、その対価としてガバナンストークンが与えられる仕組みです。

Defiサービスを使うことで与えられるタイプのガバナンストークンもあります。CompoundのCOMPトークンやAaveのAaveトークンがそれにあたります。

なぜガバナンストークンが必要なのか

ガバナンストークンが必要な理由は、コミュニティみんなで意思決定をする仕組みを作るためです。

ぼくは前回の記事でWeb3とは「非中央集権的なインターネットの世界」だと整理しました。この非中央集権的なインターネットの世界を実現するための仕組みは、特定の誰か一人(例えば社長)が意思決定をするようではダメです

今までの株式会社のやり方だと基本的には社長や役員のような経営者、もしくは金額次第で部長や課長など現場のマネジメントレベルの人たちが意思決定をするやり方をとってきました。ワンマン経営だと社長が全部決めているところもありますね。

これは効率的な意思決定のやり方として長年機能してきました。少なくとも株式会社というものは1602年にオランダ東インド会社ができてから400年以上もの間、この仕組みが採用されてきたんですからね。

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しかし、効率的というメリットの裏で、デメリットもありました。株式会社のやり方だと個人投資家やユーザーなどがほとんど意思決定に加われないのです。

特にユーザーが何もできないというのは大きなデメリットです。例えばTwitterは多くのユーザーを抱えていて、ユーザーがTwitterを支えていると言っても過言ではないです。でも、ユーザーはTwitter社の意思決定に影響を与えられないんです。

Web3の時代はそれではいけない!コミュニティみんなが意思決定に参加できる仕組みが必要だ!」という考えのもとにこのガバナンストークンを用いた投票の仕組みが提案され、実際にWeb3系のプロジェクトでは使われています。

例えば今回イーロン・マスクがTwitterを買収することになりましたが、「買収提案を受けるか否か」みたいなことをユーザーが投票して決められたら面白いと思いませんか?それがWeb3時代にはガバナンストークンによって実現しそうなんです。

特定の誰か一人に権力が集中すると、その人の思考や好みに左右されてしまいます。どんなカリスマ経営者でも全てにおいて正しいということはないです。

なので、意思決定が不当に偏ったり誤ったりするリスクを避けるためにも特定の一部の人だけに権限が集中しないことが望ましいのです。

また、Twitterの事例でも触れた通り、本来そのプロジェクトを支えているはずのユーザーが意思決定に影響を与えらえるようにする仕組みを作るためにもガバナンストークンの仕組みが有効だと考えられます。

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Twitterの全てのユーザーにガバナンストークンが与えられたら面白いですよね。ツイート1つに対して1トークン、「いいね」や「リツイート」1つに1トークン、とかユーザーがアクティブにそのサービスを使えば使うほどトークンが稼げる、なんてことになるかもしれません。例えばの話ですが。

(こういう数値連動のトークン配布だと結局インフルエンサー的な人が優位になってしまうという批判がおそらく出てくると思います。今から新規参入する人は古参でフォロワーをたくさん抱えている人には太刀打ちできないことになっちゃいますしね。)

そしてそのTwitterトークンは取引所でビットコインやイーサリアムにいつでも交換できる。持っていればそれを使ってガバナンス投票もできる。TwitterがWeb3化を真剣に考えるなら、そういうことも起こるかもしれません。

Twitterトークン構想はぼくが勝手に妄想しただけの話ですが、イーロン・マスクは元々クリプトにとても理解のある人なので何か考えていることでしょう。きっとぼくらがビックリするような仕組みを提案してくれるのではと期待しています。

ガバナンストークンで投票する実例

さて、なんかTwitterに関する記事を書いているのかと思ってしまいますが、違います。今回はガバナンストークンで投票するということを説明しようという記事です。

ここからは実際にPlanet FinanceというDefiプラットフォームでガバナンストークンを使って投票する事例を紹介していきたいと思います。

まず、コミュニティ投票が提案されると案内が届きます。Planet Financeの場合はTwitterアカウント、もしくはTelegramアカウントで案内が届いています。

投票リンクをクリックすると投票ページが開きます。「ウォレットを接続する」という案内があるので、ウォレットを接続します。

ウォレット接続すると、右上にぼくのウォレットアドレスが表示されました。
今回の提案はPlanet FinanceがJump Cryptoとのローン契約を交わしたいという提案でした。

内容としてはAQUAトークンとGAMMAトークンの流動性を高めて市場を安定させ、エコシステムのさらなる発展を支援することを目的とする、とのこと。(AQUAトークンはガバナンストークン、GAMMAトークンはユーティリティトークンです。)

今回の提案内容はざっくりと以下のような内容でした:

・流動性プロバイダーの1つとしてJump Cryptoを採用する
・コミュニティのトレジャリー(お財布)から$AQUAの供給量の1.5%とGAMMAの供給量の3%を貸し出す
・最初のローン契約の期間は24ヶ月間とする

流動性は投資家にとって重要なので、この提案は歓迎すべきものかなとぼくは思います。それに加えJump Cryptoは他にも似たような流動性供給を手がけている実績もある会社です。悪い方に働くリスクは低そうです。というわけで賛成票を投じたいと思います!

こちらが投票ボタンです。「Yes, let`s do it」と「No」の二択になっています。

ちなみに既に投票済みの投票結果は見ることができます。こういう透明性もブロックチェーンならでは。従来の投票ってだれが賛成してだれが反対したかなんてわからないですからね。

では「Yes, let’s do it」を選択します。すると「投票する」ボタンが青く光るので、押します。

すると確認を求められます。「この投票を実行してよろしいですか。」OKなので、右下の「投票する」ボタンを押します。

するとウォレットでの署名を要求されます。「署名」ボタンを押します。

これで投票が完了しました!ちゃんと投票が反映されているか、確認してみます。するとリストの一番上に自分の投票が表示されるようになっています。ぼくの5.4トークン分のガバナンス投票が出来ました。

ちなみに一番多く持っている人は22Kなので22,000トークンということですね。ステーキングしていると投票権は5倍になるので仮にステーキングしているとしても4,400トークン持っているということです。つまり少なくとも約176万ドル=2億円分以上持っていると…そういう人もいるってことです。

まとめ

今回はガバナンストークンとは何かを説明した上で、ガバナンストークンで投票する実例を紹介してみました。これをみてクリプトの世界でコミュニティの意思決定に参加できることが伝われば幸いです。

今まではユーザー側と運営側というのははっきりと区別されていて、意思決定をするのは運営側と決まっていましたよね。当然ユーザーの声は聞くということになっていましたが、それでも決定するのは運営でした。

それがユーザーでもガバナンストークンを取得すれば、そしてその保有量に応じて、意思決定にだれでも参加ができるんです。楽しい時代が来るな〜と思いませんか。

新しい世の中の仕組みがこれから広まっていきそうです!ワクワクしながらこの変化を見ていきましょう!それではまた〜

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